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告発状

.26 2012 政治・行政 comment(0) trackback(1)
告  発  状
平成24年4月  日
最高検察庁 御中
          告発人   別紙告発人目録記載のとおり
          被告発人   告発事実1につき
                  佐 久 間   達   哉
                  (法務総合研究所国連研修協力部部長)
                 告発事実1につき
                  木   村   匡   良
                  (東京地方検察庁公判部副部長検事)
                 告発事実1につき
                  大   鶴   基   成
                  (元最高検察庁公判部部長検事)
                 告発事実1、同3につき
                  斎   藤   隆   博
                  (東京地方検察庁特捜部副部長検事)
                 告発事実1につき
                  吉   田   正   喜
                  (元東京地方検察庁特捜部副部長検事)
                 告発事実2につき
                  田   代   政   弘
                  (法務総合研究所付検事)
                 告発事実3につき
                  堺           徹
                  (東京地方検察庁特捜部部長検

第1 告発の趣旨
   被告発人らの下記各行為は、それぞれ偽計業務妨害罪(刑法第233条)、偽証罪
(同法第169条)、犯人隠避罪(同法第103条)を構成すると思われるので、刑
事上の処罰を求める。

   告発事実
  1  被告発人佐久間達哉、同大鶴基成、同斎藤隆博、同吉田正喜及び同木村匡良らは、
- 1 -共謀の上、東京地方検察庁において、同庁が受理し、あるいは独自に認知立件する刑
事事件の捜査及び処分の業務並びにそれらに関連する業務に従事するものであるが、
同庁が、平成22年2月4日に不起訴処分(嫌疑不十分)とした衆議院議員小澤一郎
に対する政治資金規正法違反被疑事件について、東京第五検察審査会に対して審査の
申立てが行われ、同審査会が、同年4月27日に「起訴相当議決」を出したことに伴
い、再捜査を行った上、再度不起訴処分とし、同審査会事務局に不起訴記録を送付す
るに当たり、ことさらに事実に反する取調べ状況を記載した虚偽の捜査報告書を提出
することによって、同審査申立てに対する同審査会が「起訴議決」を行う可能性を高
めようと企て、同取調べの状況を報告した田代作成の特捜部長佐久間達哉宛捜査報告
書中の、『あなたは11万人以上の選挙民に支持されて国会議員になったんでしょ。
小沢一郎の秘書という理由ではなく、石川知裕に期待して国政に送り出したはずで
す。それなのに、ヤクザの手下が親分を守るためにウソをつくのと同じようなことを
したら、選挙民を裏切ることになりますよ。』と言われたんですよね。これは結構効
いたんですよ。堪えきれなくなって、小沢先生に報告し、了承も得ましたって話した
んですよね。」「いろいろ考えても、今まで供述して調書にしたことは事実ですか
ら、否定しません。これまでの供述を維持するということで調書にしてもらって結構
です。」など実際の取調べには存在しなかったやり取りを記載した、田代政弘の作成
に係る平成22年5月17日付け捜査報告書及び被告発人斎藤作成にかかる同年5月
19日付け捜査報告書を同検察審査会事務局に送付することにより、同審査会審査員
に上記取調べの状況等の再捜査の結果に関して重大な誤解を生じさせ、もって、偽計
により業務を妨害したものである。
2  被告発人田代政弘は、平成23年12月15日、東京都千代田区霞が関一丁目1番
4号東京地方裁判所104号法廷において、小沢一郎こと小澤一郎に対する政治資金
規正法違反被告事件につき、証人として宣誓の上証言した際、被告発人田代の作成に
係る平成22年5月17日付け捜査報告書中に、同日の石川知裕に対する取調べにお
いて実際には存在しなかったやり取りが記載されていることについて、同日の取調べ
状況に関する記憶とその約4か月前における上記石川勾留中の取調べ状況に関する記
憶が混同した事実がなく、かつ、上記石川が自らの勾留中の取調べ状況について記し
た著書が上記報告書作成時には出版されていなかったにもかかわらず、「この日の取
調べについて、一言一句記録しているわけではないので、思い出し思い出し報告書を
作成しました。勾留中に話していることや、保釈後に石川さんが著書で書いているこ
となどの記憶があって、それに関連するようなことが5月17日にも話題になったの
で、若干記憶が混同してですね、整理して書いたと思います。」旨自己の記憶に反し
た虚偽の陳述をし、もって偽証したものである。
3  被告発人堺徹は東京地方検察庁特別捜査部長、被告発人斎藤隆博は同部副部長で
あったものであるが、平成23年1月上旬、石川知裕らの公判前整理手続き中に弁
護側から、同部所属検事田代政弘(以下「田代」という。)が、平成22年5月17
日に石川知裕の取調べを行った取調べの状況を隠し取りした録音結果が弁護側から
開示され、同取調べの状況を報告した田代作成の特捜部長佐久間達哉宛捜査報告書
中の、『あなたは11万人以上の選挙民に支持されて国会議員になったんでしょ。
- 2 -小沢一郎の秘書という理由ではなく、石川知裕に期待して国政に送り出したはずで
す。それなのに、ヤクザの手下が親分を守るためにウソをつくのと同じようなこと
をしたら、選挙民を裏切ることになりますよ。』と言われたんですよね。これは結
構効いたんですよ。堪えきれなくなって、小沢先生に報告し、了承も得ましたって話
したんですよね。」「いろいろ考えても、今まで供述して調書にしたことは事実です
から、否定しません。これまでの供述を維持するということで調書にしてもらって
結構です。」との記載が同録音記録中にはなかったことを確認し、田代が、事実と
は異なる捜査報告書を作成した虚偽有印公文書作成罪を犯した者であることを知り
ながら、共謀の上、
(1) 平成23年1月上旬ころ、東京地方検察庁において、田代から、同報告書の記載
内容が事実と異なることについて説明を受けた際、記憶の混同によるものとの説
明を維持するよう指示するとともに、事実と異なる記載はあるが過誤に過ぎない
と事実をすり替え、自ら又は同部所属の検察官らを指揮して捜査を行わず、
(2) そのころ、最高検察庁において、同庁検察官らに対し、「田代が作成した捜査報
告書には事実と異なる内容が含まれているが、記憶の混同によるもので過誤に過
ぎない。元秘書の公判にも影響はない」旨虚偽の報告をし、よって、同庁検察官
らをして、捜査は不要と誤信させて自ら又は同庁又は東京地方検察庁所属の検察
官らを指揮して捜査を行わないようにさせ、
もって虚偽有印公文書作成罪の犯人である田代を隠避させたものである。
第2 罪名及び罰条
 1 告発事実1につき
偽計業務妨害罪 刑法233条
 2 告発事実2につき
   偽証罪 刑法169条
 3 告発事実3につき
   犯人隠避罪 刑法103条
第3 偽計業務妨害罪(告発事実1)の被疑者が被告発人らであると特定した理由
   被告発人らは、平成24年1月12日付け告発状において、すでに被告発人氏名不
詳として、偽計業務妨害罪の告発をしていたが、告発事実に新たに下線部分を加えた
上、被告発人を特定して、改めて同罪の告発をするものである。
   告発人らが、上記被告発人らを、同罪の被疑者と特定した理由は以下のとおりであ
る。
 1 佐久間達哉と木村匡良
   告発人らは、過去2度の捜査要請書において、①被告発人田代が上司や主任検事の
命令に従って捜査を遂行する立場の一検事にすぎなかったこと、②同人に、虚偽の捜
査報告書を作成する個人的な動機が認められないこと、③前田元検事の「本件(陸山
会事件のこと)では(ゼネコンからの)裏献金で小沢先生を立件しようと積極的なの
は、東京地検特捜部特捜部長や○○主任検事(法廷では実名)など一部で、現場は厭
- 3 -戦(えんせん)ムードでした。東京高検検事長も立件に消極的と聞いていました」と
いう証言等から、小沢氏起訴に執念を燃やし、不起訴処分後も執着していたのは、東
京地検特捜部長や主任検事であったと考えられること等から、本件偽計業務妨害罪の
被疑者が、「(当時の)東京地検特捜部長や主任検事」らである疑いが極めて濃厚で
あることを指摘してきた。
   そして、その氏名を特定すれば、東京地検特捜部長が被告発人佐久間で、主任検事
が被告発人木村匡良ということになる。
   これらの上司らが、被告発人田代に虚偽の捜査報告書の作成を命じ、あるいは強く
働きかけた疑いは、裁判所が証拠決定において、
「1月27日頃から行われるようになった特捜部副部長検察官である吉田正喜
(以下「吉田検事」という。)による取調べの際、吉田検事は、石川に対し、建設
会社からの献金受領の事実を中心に取り調べた上で、これを認める供述を得られ
ず、取調べメモを石川の目前で破るという行動に出たことが認められる。(中略)
これらの事実は、石川に献金の受領や被告人(小澤)の関与について供述を迫るた
め、田代検事と共に、特捜部の複数の検察官が石川に圧力をかけていたことをうか
がわせるものであり、ひいては、前記の田代検事の取調べは、個人的なものではな
く、組織的なものであったとも疑われるものであって」
   と述べて、被告発人田代の違法不当な取調べを組織的なものと認定していることから
容易に推認できることである。

 2 大鶴基成
   上記のとおり、裁判所は、被告発人田代の違法不当な取り調べを組織的なものと認
定しているが、検察庁という官庁の在り方からすると、このような組織的な動きに関
する実情を、当時東京地検の次席検事であった被告発人大鶴が全く把握していなかっ
たとは考え難い。事実、上記前田元検事の証言では、積極的に小沢氏までつなげた
が って い た 一 部 の 幹 部 と して 「 大 鶴 次 席 検 事 」 も 挙 げら れて い た こ と が 複 数 の 紙
(誌)面で報じられている。また、週刊誌等において、陸山会事件において、事実上
の捜査指揮を執っていたのが被告発人大鶴であったことが報じられていること等に鑑
みれば、同人についても、本件偽計業務妨害罪の共犯とみるのが相当である。

 3 斎藤隆博
   被告発人斎藤は、当時、東京地検特捜部副部長の職にあったものであるが、再捜査
の結果を踏まえた小沢氏の共犯性に関する主要な証拠等について検討した結果に関す
る報告書として、被告発人佐久間宛の平成22年5月19日付け捜査報告書を作成
し、同報告書も検察審査会に提出されている。
   この捜査報告書は、各関係者の供述調書を引用して、それぞれの結論において、共
犯の成立に関する肯定的要素、否定的要素を整理したものであるが、専ら共犯の成立
を肯定する方向性を持つ供述部分にのみアンダーラインを引いて強調している。しか
し、この事件は、既に検察庁として不起訴処分をしており、再捜査の結果においても
不起訴処分となっていることに鑑みると、共犯の成立を肯定する内容を含んだ供述部
分のみがアンダーラインで強調されているのは、極めて不自然なことである。そし
て、このような捜査報告書が検察審査会に送付されたことを併せて考慮すれば、被告
- 4 -発人斎藤は、検察審査会の判断を不当に誘導する目的で、共犯の成立を肯定する要素
のみを審査員が拾い読みできるように同報告書を作成したとみるのが自然かつ合理的
である。
そして、雑誌「FACTA」2012年5月号の『小沢を嵌めた東京地検のワル』
と題する記事において、斎藤報告書の内容と、検察審査会による起訴議決書との対比
結果が紹介されているところ、これによれば、議決書には、斎藤報告書の記載と、表
現に至るまで驚くほど酷似する箇所が多数あることが認められる。換言すれば、議決
書は、判断の重要部分において、斎藤報告書をほぼそのまま引き写して作成されたも
のといってよい。このことから、斎藤報告書が、検察審査会の判断に極めて強い影響
を与えたことが分かる。
しかも、斎藤は、検察審査会に出席して、不起訴処分をした検察の立場としての意
見聴取を受けた者であるが、検察審査会は、ほとんど斎藤報告書に依拠する形で、検
察の判断と具体的に比較検討することなく議決書を作成している。
以上の事実から、斎藤が不起訴処分をした検察の立場から十分な説明をしたとは到
底考えられないのであって、むしろ、斎藤は、検察審査会の判断を不当に誘導する上
で、実に大きな役割を果たしたものと推察される。
   従って、被告発人斎藤についても、本件偽計業務妨害罪の共犯とみるのが相当であ
る。

 4 吉田正喜
   石川氏は、同人が起訴される3日前に東京地検特捜部副部長であった被告発人吉田
から、「小沢はここで不起訴になったとしても、検察審査会で裁かれる可能性が高
い。その議決は参議院選前に出るでしょう。そんなことになって良いのでしょうか」
と話されたことを証言している。このことは、鈴木宗男元議員の2010年2月1日
付けの日記にも記載されている。
   佐久間、大鶴、木村、斎藤について、検察審査会を不当に誘導する偽計業務妨害罪
の共犯が認められることは、これまで述べてきたとおりであるが、被告発人吉田につ
いても、その特捜部副部長の立場にあったことからして、全く無関係であったと考え
ることはできない。さらに、上記のように小沢氏について不起訴処分決定が出る前か
ら、検察審査会による起訴議決を念頭においた発言をしていることを併せて考慮すれ
ば、前記被告発人らは、当初から、検察で小沢氏を起訴できなくとも検察審査会に
よって起訴することを企図し、告発事実記載の行為に及んだとみるべきであり、吉田
もこれに関与していたものと見るのが相当である。

第4 偽証罪(告発事実2)の理由

 1 過去の取調べにおける記憶と混同した旨の証言部分
   告発人らは、既に、被告発人田代について、虚偽有印公文書作成及び同行使罪が成
立するとして、同罪で告発状を提出し、同人が、報告書の記載が事実に反しているの
は「記憶の混同」によるものである旨証言している点は、あり得ない話であり、全く
信用できないと指摘した。
   検察官は、常に、供述者の供述の変遷経過に重大な注意を払いながら取り調べを行
- 5 -い、必要に応じて、その変遷をメモなどに残すものである。こうした検察官の職業的
性格も加味すれば、昨日今日の記憶と約4か月も前の記憶が混同することがそもそも
あり得ないのであって、被告発人田代の弁解は、荒唐無稽としかいいようがない。
   裁判所も、証拠決定において、「同捜査報告書が問答体で具体的かつ詳細な記載が
なされていることに照らすと、あいまいな記憶に基づいて作成されたものとは考え難
く、記憶の混同が生じたとの説明は、にわかには信用することができない」として、
被告発人田代の弁解を退けた。つまり、裁判所は、本件捜査報告書が、「記憶の混
同」が生じるようなあいまいな記憶に基づいて作成されたものとは考えられないと明
快に述べているのである。問答体で再現できるほど明確な記憶があれば、過去の記憶
と混同するはずがないから、裁判所の指摘は当然である。
また、裁判所は、以上のように述べた上で「この報告書の存在は、石川が勾留段階
で被告人の関与を供述した経緯として、田代検事が公判で供述する説明内容にも、深
刻な疑いを生じさせるものといわざるを得ない。」とも述べている。
ここにいう「石川が勾留段階で被告人の関与を供述した経緯として、田代検事が公
判で供述する説明内容」とは、裁判所の整理によれば、次のとおりである。すなわ
ち、
「石川に対し、真実を語らせるために、第1に信頼関係を築いた上で、正論
で説得することにした。私はフェアにやる、正直に事実を話してほしいと話し、
黙秘権はあるが、積極的にうそはつかないことを約束してもらった。そして、石
川が不合理な説明をしたときに、うそをつかないと約束したではないか、と追
及した。その上で、十勝の有権者は、石川が被告人の秘書だから投票したのでは
なく、石川個人を信頼して投票したはずである、暴力団の子分が親分をかばうよ
うないい加減な話をしたのでは、有権者を裏切ることになる、などと言って、真
実を話すよう説得した。その結果、1月16日、石川は、被告人から受け取った
4億円を収入として不記載にしたこと、本件土地の建記を翌年にずらして平成1
6年分の収支報告書記載しないこと、預金担保貸付を受ける必要性等について、
被告人に報告をして了承されたこと、さらに、本件4億円の原資についても供述
するに至った。そこで、調書を作成しようとしたが、石川は弁護人の助言を理由
に署名を拒み、同月17日、18日も署名しなかった。真実を記載しているなら
拒否する理由はない、調書が作れないと私も困る、と言って説得したところ、同
月19日に署名した。」(証拠決定8頁より引用)
要するに、田代は、事実に反する本件捜査報告書のやり取りについて、勾留中の記
憶と混同したとして、本件捜査報告書に記載されているやり取りと同様のやり取りが
勾留中に行われたと証言したところ、裁判所は、勾留中にそういうやり取りがあった
という説明も信じられないと指摘したのである。
そして、「深刻な疑い」という踏み込んだ表現を用いて強調しているのは、偽証罪
の成立を示唆しているものと解釈するのが相当であり、到底無視することができない
というべきである。
さらに付言すれば、取調録音には、田代と石川氏との間で勾留中の取調べにおける
様々なやり取りが再現されている一方で、田代の上記説明内容の再現は出てこない。
- 6 -もし、田代が上記説明内容と同様のやり取りをして小沢氏の関与を認める供述を得て
いたのであれば、まさに核心的場面なのであるから、田代は、当然、それを再現し
て、石川氏に供述の維持を求めたはずである。ところが、実際には、そのような取調
べは行われず、むしろ、証拠決定が認定しているように、田代は、強力な利益誘導、
誤導、強力な圧力等、違法不当な取調べを行って、石川氏に供述の維持を執拗に迫っ
たのである。この事実は、勾留中の取調べにおいて、田代の上記説明内容に係るやり
取りが存在しなかったことを強く示しているというべきである。
以上のような意味においても、記憶の混同はあり得ないのである。

 2 石川氏の著書の記載と混同した旨の証言部分
また、陸山会事件小沢氏公判を全回傍聴したジャーナリスト江川紹子氏が、雑誌
「世界」2012年5月号に寄稿した『裁かれるべきは検察か-小沢裁判で見えた司
法の「闇」』の中で、被告発人田代が「保釈後に石川さんが著書で書いていることな
どの記憶があって、それに関連するようなことが五月十七日にも話題になったので、
若干記憶が混同して」と証言したことを指摘している。
しかし、上記報告書は平成22年5月17日付けで作成されているところ、石川氏
が保釈後に著書(『誰が日本を支配するのか!?検察と正義』(マガジンハウス))
を出版したのは、その約3か月後の同年8月のことである。つまり、上記報告書作成
時には当該著書は存在していなかったのであるから、時系列的に見て、当該著書の記
載についての記憶が入り込むことがあり得ないことは明白である。
この点に関連して、告発人らが行った被告発人田代に対する虚偽公文書作成につい
ての告発を東京地検が不起訴にする見通しを報じる4月18日の朝日新聞の記事は、
「検察当局は、石川議員の日記を掲載した本などから、捜査報告書が作成される数か
月前の石川議員の逮捕中に、同趣旨のやりとりが田代検事との間であったとみてい
る。」と報じているが、逮捕中に田代検事との間でそのようなやり取りが全くなかっ
たことは、石川氏が自らのブログで明確に述べている(「ともひろ日記」2012年
4月19日)。同氏が同ブログで述べているように、「検事から≪11万人の選挙民
の支持で議員になったのに、うそをつけば選挙民を裏切ることになる≫と言われたの
が効いた。」などというやりとりは吉田副部長の調べの中であったものであり、しか
も、それは、水谷建設からの5000万円の裏献金についての取り調べの中でのこと
である。田代検事は、石川氏の逮捕中の取調べでそのような発言をした経験はなく、
「記憶の混同」が生じることは考えらえない。
従って、当該著書の記載と記憶が混同した旨の証言が、被告発人の記憶に反する虚
偽の陳述であったことは疑う余地がない。

  3  さらに付言すれば、上記江川氏の寄稿は、田代が、石川氏勾留中の捜査につい
て、他の検事とは「事件のことについては、一切話をしません」と証言したことに
ついても、これと反する前田元検事による相当具体的な証言から、偽証の疑いがあ
ることを指摘している。
さらに、元検事の市川弁護士による『検事失格』(毎日出
版社)から、同氏が検事時代、証人として呼び出された際、周囲から偽証を勧めら
れ、本当のことを言おうとした同氏に同調する検事が一人もおらず、そういうことは
法廷で言ってはいけないという空気感が検察庁を支配していたように思う旨述べて
- 7 -いる部分を引用しているのは、本件も本質において同様の問題を抱えているという
強い印象を持ったことの表れと読むことができる。この点も無視することはできな
い。

 4 結語
   以上のことから、被告発人田代が、事実と反する捜査報告書を作成した理由が「記
憶の混同」によるものである旨証言したのは、記憶に反する虚偽の陳述をしたものと
いわざるを得ない。

第5 犯人隠避罪(告発事実3)の理由

 1 犯人隠避罪による告発は、平成24年3月2日読売新聞朝刊の「陸山会事件 虚偽
報告書 1年前把握 東京地検が放置 小沢元代表公判に影響」と題する記事及び同
月30日に大阪地方検察庁で言い渡された元大阪地検特捜部長大坪弘道、同元副部長佐
賀元明の両被告人に対する犯人隠避事件の判決を根拠とするものである。
同読売新聞記事は、「捜査報告書に虚偽の記載があった問題で、地検が問題発覚の
約1年前にこの事実を把握しながら、十分な調査を行わず放置していたことがわかっ
た。」とした上、『複数の検察幹部によると、東京地検はこの公判より前の昨年1月
上旬、石川被告ら元秘書3人の公判前整理手続き中に弁護側から録音記録が開示さ
れ、報告書の内容との食い違いに気づいたという。』『虚偽有印公文書作成罪にあた
る可能性もあり、東京地検特捜部が田代検事に複数回、説明を求めたが、「過去の取
り調べと記憶が混同した」などと答えた。東京地検は「故意とは断定できず、元秘書
の公判にも影響はない」として、それ以上は調査しなかった。最高検には、録音記録
と捜査書類に食い違いがあると報告されたという。』と検察内部の動きについて報じ
ている。

2  一方、上記大阪地裁判決では、被告人両名が、当時の大阪地検特捜部検事の前田恒
彦が証拠隠滅の犯罪を行ったことを知り、同人に対する捜査を行う権限を有し、特捜
部長又は副部長として、特捜部所属の検察官らを指揮して前田に対する捜査を行う権
限を有し捜査を行うべき職責を有していたにもかかわらず、それを行わず、本件改ざん
の本件虚偽過誤説明へのすり替えを確たるものにしていたこと等の不作為を、犯人隠
避罪にいう隠避行為に当たると判示して「不作為の犯人隠避行為」を認め、大阪地検
次席検事及び検事正への報告において、本件改ざんのあったことを報告せずに、虚偽
過誤説明を行うことにより、両名に、本件について、捜査はもちろん、調査の必要性
もないとの判断に至らせたものだとして、「作為の犯人隠避行為」を認めている。

3  上記読売新聞の記事が事実だとすると、田代作成の捜査報告書が事実と異なるもの
であると認識した時点で、当時の東京地検特捜部の幹部は、田代に複数回説明を求め
るなどした上で、「記憶の混同」による過誤であり故意の虚偽公文書作成ではないと
最高検に報告したということであり、特捜部の捜査の過程で所属検察官が犯罪を行っ
た疑いが表面化し、それについて特捜部幹部が上司又は上級庁に対して「故意ではな
く過失」と報告を行い、捜査が行われなかったという外形的事実は酷似している。

4  問題は、特捜部幹部が故意の犯罪と認識していたか否かであるが、大阪地検特捜部
の事件では、証拠隠滅の犯罪は、特捜部長、副部長であった両被告人は全く知らない
- 8 -ところで部下の検察官によって行われたものであり、その証拠のフロッピーディスク
も既に還付されて確認することができない状態だったが、副部長が行為者の部下検察
官から「故意にやった」との告白を受けたことで被告人両名が故意であると認識した
検察側が主張し、裁判所もその主張を認めた。一方、本告発に係る東京地検特捜部の
事件では、田代による捜査報告書作成は、被告発人斎藤が副部長として指揮する特捜
部の捜査の過程で上司の指示によって行われたものであることは明らかであり、当該
捜査報告書の内容も確認可能である。しかも、既に、本告発状の偽計業務妨害罪の告
発理由について述べたとおり、この虚偽の捜査報告書の作成は、当時の特捜部の幹部
等が検察審査会の判断を不当に誘導する目的で行った一連の工作の一環として行わ
れ、田代が特捜部の幹部の意向を受けて虚偽の捜査報告書を作成した疑いが濃厚であ
り、被告発人斎藤を含む特捜部幹部が、田代が故意に虚偽の捜査報告書を作成したと
の認識を有していなかったとは考えられない。

5  大阪地検特捜部幹部の犯人隠避事件については、当時の最高検察庁が自ら捜査を行
い起訴したもので、上記大阪地裁が、検察の主張をそのまま認めて犯人隠避罪の成立
を認める判決を言い渡しているものであり、東京地検特捜部の事件についても、同様
の見解に基づいて捜査を行い、真相を解明し、被告発人らについての犯人隠避罪につ
いて厳正な処分を行うのが当然である。
以上

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告発状平成24年4月日最高検察庁御中告発人別紙告発人目録記載のとおり被告発人告発事実1につき佐久間達につき大鶴基成(元最高検察庁公判部部長検事)告発事実1、同3につき斎藤隆博(...
2012.04.26 21:35 まとめwoネタ速suru
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